水槽による並列四桁全加算器
門扉カラクリの特徴は、開閉する門扉と道筋が与えられていれば、そこを通り抜ける物や事柄が何であっても成立する点にある。
どのような物を通過させるかは、その装置の作成者が任意に選択した。作成者の身の回りでよく見かける物や事柄を信号源として選択する発想は、自然なことだったのかもしれない。
室町時代末期に日本へ輸入された金魚は、元禄期には江戸の町に専門店が出来るまでになった。
当初は高価な贅沢品だった金魚も、明和年間に大和郡山などでの養殖が始まり、次第に庶民の間でも楽しまれるようになってきた。そして文化年間には大ブームと呼べるほど盛んに飼育され、様々な工芸意匠や絵画にその姿が描かれている。
この装置は門扉カラクリの信号源として、金魚を使用すると記述されていた。だだ、具体的にどのような門扉カラクリとなるのかは記されていなかったため、ここでは便宜的に並列四桁全加算器となるように再現している。
PLA
この再現品の論理的設計には、PLA(programmable logic array)という回路の設計法を利用している。
これは二組の素子の配列(アレイ)によって構成される、ANDアレイとORアレイを組み合わせて作られる。それらの縦線と横線の交点にある素子を、ユーザーが接続、または切断することによって、任意のAND‐OR回路を実現する。
同一パターンが多いため汎用の集積回路で作ることができる。
しかし入出力数が多くなると、素子数が急激に増加するため、専用回路に比べると速度や集積度の点で劣ってしまう。(入力数をi、出力数をjとすると、2i ( 2i+j ) + i となる。)
実際の回路設計ではこれらの欠点を改善するための技法がいくつかあるが、この再現品では、入出力数が少なく、速度や集積度は重要な要素ではないため、この点に関しては無視することにした。
Four-digit parallel Full Adder With Water Tank
Feature of Monpi-karakuri is that it will work out when no matter what object is going to pass through it but at least its given doors that is open and close and the routes.
The object was chosen by designer. It was probably natural for him to have an idea to pick up something that is his personal belongings as a signal source for the device.
First imported gold fish at the end of Muromachi era had become popular by Genroku era as there was specialized shop newly opened in Edo. They used to be high quality fish but people in
Yamatokoriyama had started farming gold fish during Meiwa era and they are slowly spread out its popularity throughout the general public.
Finally, it became a big boom during Bunka era. People had actively breed gold fish. And there were many drawings of gold fish drawn for craft design or paintings.
This device was for Monpi-karakuri as a signal device instructed to use gold fish. There was no description of how it was attached to Monpi-karakuri, therefore it was named ‘Four-digit parallel
addition calculator’ for descriptive purpose.