グリーンファクトリー Green Factory
工場のカーボンニュートラルに関するイベントに向けた展示空間をデザインした。近代的な工場は1770年頃イギリスで誕生し、蒸気機関の普及、都市部への労働力の流入と共に、産業革命を推進する要因の一つとなった。以来工場は、「大量の製品を大量の資源で生産する」ことを主目的とした施設として現在に至っている。一方近年、製造業への環境負荷低減の要請が高まり、「最大限の製品を最小限の環境負荷で生産する」ことへ目的が移行してきた。
現在求められる工場は、相反する要素を同時に成立させる施設と考えることができる。その性質を体現するための造形として、展示物を包み込むように木質フレームを構築した。直線的でかたい木材を用いながら、曲線的でやわらかな形態をつくっている。相反する要素を同時に成立させるデザインが、現在工場に求められる様々な要求を解決する一つの回答としての木質化技術を提示するだろう。