個展 「コンピュータを構成する五つの要素」 (トキ・アートスペース 2003)
現行のコンピュータは、入力部、出力部、演算部、制御部、記憶部の五つの要素から成り立っている。
形態や性能の違いこそあれ、現在世の中でひろく使用され、社会の根幹部分にまで深く入り込み、もはやそれ無しには充分な生活を営めなくなるほどに私達が依存しているコンピュータ群も、基本的にはこれら五つの要素の組み合わせに過ぎない。
今回展示する6点の作品は、これら各要素の基本となる装置を、理論的な考え方はそのまま引きうつしながら、それとは全く別の動力、動作、材料で再構成し、理屈の上では動作しうるといった程度の精度で製作されている。
ただし各々の作品はそれぞれ独立しており、理論的な考え方はそのまま引きうつすという方針は共通しているものの、動力、動作、材料、それによって表される内容など、別個の作品として成立している。
各作品を五要素の一つ、または複数に振り分けたが、実際の設計では同じ装置を別の用途に用いたり、クロックのように全ての動作に関わる部品もあるため、その振り分け方は便宜的なものである。
演算部 (種蒔式二進一桁卓上半加算機)
演算部 (汎用型小動物飼育用ガラスケースを兼ねる、PLAによる二進一桁卓上全加算器)
入力部・出力部 (風琴通信器)
制御部 (盛塩の大気中水分吸収・放散作用によるクロックパルス発信器)
記憶部・制御部 (苔のむすまで1)
記憶部 (苔のむすまで2)