汎用型小動物飼育用ガラスケースを兼ねる、PLAによる二進一桁卓上全加算器 (1997)
半加算器を二つ組み合わせることで、前の桁からの桁上げを考慮した全加算器を構成することができる。
ここでは全加算器を、PLA(Programmable logic array)という、本来半導体集積回路に使われる論理回路の設計法を用いて設計し、また同時に信号源として使用される小動物の飼育ケースとしても機能するように製作した。
装置は信号源の小動物を飼育する飼育部、演算する数値を入力し演算を実現するシャッター部、演算後の答えや次の桁への桁上げが出力される出力部の三部分で構成されている。
入力は中央にある二本一組になった入力装置から行い、0か1のどちらかを意味する。
三対の入力装置は左側から、加数、被加数、下位の桁からの桁上がりとなっており、この入力の組み合わせが7本の通路のどれか一つ、または二つに対応している。
シャッター部に数値が入力されると、シャッター開閉の組み合わせにより、少なくとも一箇所の通路が開通する。(0+0+0の場合を除く)
このとき飼育部で飼育されている小動物が、何らかの理由でゲート部を通過し出力部へ至ることで、その回の演算が完了するしくみになっている。
通常の集積回路での電源がここで飼育されている小動物、シャッターの開閉がプログラム、そして小動物がたどってゆく道筋が回路そのものに、それぞれ対応していると考えられる。
上の連続写真は、0+0+1の計算を行う際に、信号源である小魚が、エサによって答え1の出力部分へと誘導されている様子を捉えたものである。
時間を追って、左から右の写真に見られる状態へと、小魚が移動している。