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易は陰陽二値による両儀から始まり、四象、八卦、六十四卦と進んでゆく二進法的な世界を構成している。
易卦は陽を示す1本の線と、陰を示す短い2本の線で表される。それを3本並べたものは2^3で8通りあり、八卦(はっけ、はっか)と呼ばれ、これを小成八卦(しょうせいはっか)とも呼ぶ。また6本並べたものは2^6で64通りあり、これを大成六十四卦(だいせいろくじゅうよんか)と呼ぶ。
この各々の線は爻(こう)と呼ばれる。爻は下から初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻となっている。
陽には小陽と老陽の2種類あり、陰にも小陰と老陰がある。老陽は陰に、老陰は陽に変じやすいものと考え、立てた卦のなかにこれらがあった場合、変じて出来た卦のことを之卦(ゆくか、しか)といい、変化する爻のことを変爻という。
大成卦を立てるにはさまざまな方法がある。筮竹を左右に分け、奇数/偶数というのを3回×6回=18回繰り返したり、硬貨を投げた表/裏の3回×6回=18回の操作でも立てることができ、8面体サイコロを6回投げたりしてもよい。
この卦立器一組で八卦を一組立てることができる。枝分かれしてゆく度に陰陽に分かれてゆくと見なし(図1)、通ってきた道筋がそのまま(表1)に対応している。
この八卦が(図2)にあるように、さらに大成卦の一つの爻に対応し、六組で一つの卦を立てることになる。立てた卦は(表2)のような名前になる。
この例では上三本が「山」で下三本が「雷」という卦になる。そこでこれを「山雷眼」と呼ぶ。
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卦立ての操作は図のような昇りカラクリの形代で行う。
下部の持手を両手で持ち、紐を張りながら交互に下へ引く。昇っていく形代が卦立て装置のレールに従って枝分かれを選択する。卦立て装置のレールには遊びを持たせてあり、通過時の力の加減によって左右どちらにも行く可能性がある。
操者は終了後、紐を緩めて降ろしておく。
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卦立て装置と昇りカラクリとの接続には、カーテンランナー状の突起と溝をかみ合わせる。